一、メンテナンスピークは過ぎて 6月供給が顕著に回復
卓創資訊の統計によると、2026年5月にメンテナンス対象となった中国PE石化企業の年間設備能力は1390.5万トンに達し、月間メンテナンス損失量は66.88万トンで、前月比3.25万トン減少したが、依然として年内高水準。6月に入ると、PEメンテナンス損失量は48.2万トンに低下すると予想され、5月比で18.68万トンの大幅減、減少率27.9%となる見込み。6月は新規稼働企業の計画はないが、既存設備の稼働率は明確に上昇する。
| 項目 | 5月実績 | 6月予想 | 変化 |
|---|---|---|---|
| メンテナンス損失量(万トン) | 66.88 | 48.2 | -18.68 |
| 対象設備能力(万トン/年) | 1390.5 | — | 減少 |
| 新規稼働 | なし | なし | — |
二、コスト面の緩み 産業チェーン利潤の再配分
米イラン交渉期待が国際原油価格を高値から押し下げ、WTIの月間下落率は16.86%に達し、PE価格のコスト面での支えが明確に緩んでいる。原油からナフサ、エチレンへの伝達過程で、上流コストの低下が下流に等比例で伝達されておらず、中間工程の利潤はある程度回復したが、PE生産企業の利潤改善は限定的だ。5月のメンテナンス期間中の供給逼迫が価格を支えたものの、6月に需要が供給回復に追いつかなければ、利潤回復は供給増加によって相殺される可能性がある。
注目すべきは、5月の農業フィルム景気指数がわずか10.1で、前月比19.9ポイント低下したことだ。これは5月の農業フィルム需要がすでに閑散期に入り、全体の受注が4月から引き続き減少していることを反映。多くの工場が操業停止や減産で閑散期を乗り切っている。6月の農業フィルム需要も低水準が予想され、需要面のネガティブフィードバックがPE価格の上値を抑え続ける。
三、需給構造分析:供給回復が需要の空白と直面
6月のPE市場が直面する核心的な矛盾は、供給回復のスピードが需要回復のペースを上回っていることだ。一方で、メンテナンス設備の再起動により約18.68万トンの供給増加がもたらされる。他方で、農業フィルムの閑散期が続き、下流工場の稼働率が低く、原料調達意欲が弱い。さらに、原油価格の下落がPE価格のコスト支え期待をさらに弱め、下流の「安く買う」心理が在庫圧縮圧力を強める。
石油化学製品全体の動向を見ると、5月29日の週の42監視品目のうち66.7%が下落し、化学品全体の弱含み基調が鮮明。純ベンゼンなどの中間品が下値圧力を受け、コスト緩みと需要のネガティブフィードバックの二重圧力の下で、PEは短期的に有効な支えを得られない状況だ。
四、今後の見通し
6月のPE市場は弱含みレンジ相場が主旋律となると予想される。供給面ではメンテナンス損失量18.68万トン減少が市場供給圧力を顕著に増加させ、需要面では農業フィルム閑散期と下流の慎重な調達が上値を制限、コスト面では原油価格下落予想がまだ消化中だ。価格面では、LLDPE中心限月は7800〜8300元/トンのレンジでの推移が予想され、LDPEとHDPEはメンテナンスの影響による銘柄分化が生じ、一部銘柄に小幅反発の機会があるかもしれない。6月中旬のメンテナンス設備再起動の進捗と下流の在庫補充ペースに注目したい。在庫補充需要が集中すれば、段階的な反発が生じる可能性がある。