一、原油価格が高値から反落 地政学プレミアムが加速的に排出
5月29日終値時点で、WTI原油7月限の清算価格は87.36ドル/バレルで、前日比1.54ドル安、下落率1.73%。ブレント原油7月限は91.12ドル/バレルで、1.66ドル安、下落率1.70%。ともに約6週間ぶりの安値水準となり、WTIの月間下落率は16.86%、ブレントは17.46%と、2020年以来最大の月間下落を記録した。
| 銘柄 | 価格(ドル/バレル) | 日間変動 | 月間変動 |
|---|---|---|---|
| WTI 7月 | 87.36 | -1.73% | -16.86% |
| ブレント 7月 | 91.12 | -1.70% | -17.46% |
| SC 2607 | 589.8元 | -4.4元 | — |
二、米イラン交渉が核心的な推進要因 ただし合意成立には不確実性
今回の原油急落の核心的な触媒は米イラン交渉の進展だ。報道によると、米国とイランは停戦延長とホルムズ海峡の航行制限緩和について予備合意枠組みに達した。世界の石油とLNG流通の約5分の1を担う通路の再開期待が高まった。しかし、トランプ大統領はまだ正式に承認しておらず、イラン国営メディアも合意は最終確定していないとしており、地政学リスクは完全には排除されていない。
注意すべきは、仮に合意が最終的に成立しても、ホルムズ海峡の通行回復は漸進的なプロセスとなることだ。アナリストは、航路の機雷除去、損傷インフラの修復、停止した生産の再開、タンカーの遅延が、短期的には供給回復のペースを制限すると指摘。したがって、現在の原油急落はリスクプレミアムの排出を反映しており、実際の供給改善を反映したものではない。
三、産業チェーン伝達:プラスチックコスト低下 需要面の支えは依然弱い
原油はプラスチック産業チェーンの源流コストであり、その大幅な下落は下流に伝達されている。卓創データによると、5月29日の週の石油化学42品目のうち66.7%が下落、上昇はわずか11.9%。淄博化学製品価格指数は833.84に低下し、前月比0.39%下落した。コスト面の緩みに下流需要の持続的な弱さが重なり、純ベンゼンなど中間品が下値圧力を受け、ポリオレフィンやPVCなどプラスチック品目も明確に下落した。
産業チェーン伝達の論理から見ると、原油からナフサ、エチレン・プロピレン、ポリオレフィンへの伝達チェーンにおいて、コスト低下のスピードが需要回復のペースを上回っている。下流工場の原料調達は慎重で、現物取引は閑散、在庫消化は遅く、コスト支えの低下と需要面のネガティブフィードバックが重なり、短期的にプラスチック価格にはまだ下値余地がある。
四、今後の見通し
短期的には、米イラン交渉期待が引き続き原油価格の動向を左右する。WTIは85〜90ドルのレンジで推移、ブレントは89〜94ドルのレンジでの取引が予想される。合意が正式署名されれば原油は80ドル付近まで下探する可能性があり、交渉が破談となれば95ドル以上への急反発リスクがある。プラスチック市場にとっては、6月はPE設備メンテナンス損失量の減少による供給回復圧力と、下流農業フィルム閑散期後の需要フォローに注目が必要だ。6月のプラスチック市場はコスト低下主導の弱含み推移が主旋律となり、一部品目は売られ過ぎ反発の機会があるかもしれない。